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上司へのアプローチ方法【あなたの上司を簡単に動かすテクニック】

「世界には下り坂と上り坂、どちらが多いでしょうか?」

友達からのくだらないクイズに、本気で「どっちだろう…。」と頭を悩ませていた小学生時代。その答えは至ってシンプルで『坂は上から見れば下り坂になるし、下から見れば上り坂になる。つまり同じ数だけある。』です。そんな話と同じように、上司と部下の関係も視点を変えると同じ数だけ存在していて、部下との関係性に悩む上司がいるのと同じように、上司との関係に悩む部下もいます。

・上司が自分の考えを理解してくれない

・上司が提案を受け入れてくれない

・上司に理不尽な怒られ方をされる

今回はこのような上司との関係の悩みを抱えるみなさんに、『上司を簡単に動かすテクニック』を1つ紹介します。

先ほどのくだらないクイズの答えのように、これから私が紹介するテクニックも非常にシンプルです。しかし、シンプルだからこそこのアプローチを知らない人が多く、悩み苦しんでいる人がたくさんいるのが実情なのです。

では見ていきましょう。

組織とは

本題に入る前に組織の構造について確認をしておきます。

もしもあなたが組織の末端の立場なら、基本的には『上司はいるけど部下はいない』となり、1つでも立場が上がれば○○リーダーや〇〇Mgr、課長、店長など、『上司もいるし部下もいる』という環境になるはずです。

組織では『人』は必ず、少なくとも1人の『人』と線で結ばれています。

業務上の繋がりという視点で考えれば、線の数は10本、50本、人によっては100本、1,000本となるはずですが、その線には目に見えないくらい細い線も含まれているはずです。

ではこの線の繋がりの中でも特に太く強固な線はどこかと言うと、やはり上司と部下を繋ぐ『縦の線』になります。もちろん同職位同士を繋ぐ『横の線』も太くあるべきだし大事な線なのですが、組織という視点で考えれば『縦の線』が非常に重要になります。

『縦の線』は切れてはいけない

先ほど『横の線』よりも『縦の線』の方が太くて強固でなくてはならないと解説しましたが、その理由は、組織全体をコントロールするための、更に細分化された小さな組織のコントロールにあります。

果てしなく続く線が最終的にはどこに繋がっているかと言うと、それは社長です。実は社長はさらに世の中と繋がっていて、世の中の人々が必要としているもの、サービスは何かなどを敏感に察知して様々な判断を下していきます。

組織(社長)のミッションやビジョンは、上に行けば行くほど抽象的で、下に行けば行くほど目標や手段という名前に変わって細分化されて具体的になっていく。『縦の線』が切れるということは組織の崩壊を意味します。

組織においてこの『縦の線』が非常に重要になっているということは、多くの人は言葉にしないながらも心の中で既に分かっている。分かっているからこそ目を背けることができず真正面から課題に向き合って、上司との関係や部下との関係で悩むことが多いのではないでしょうか。

『横の線』は切れても良い

「え!?『横の線が切れる』=『チームワークが悪くなる』からダメなのでは!?」

と思う方も多いと思います。もちろん切れない方が望ましいのですが、縦の線が強固に繋がっている限りは横の線は修復可能なので問題はありません。これはイメージの話ですが、私の部下のAさんとBさんの線が切れてしまった(切れてしまいそうになった)時でも、私とAさん、私とBさんの線がしっかりと繋がっていれば大丈夫です。(もちろん多くの課題が生まれますが)

上司との関係に悩んだら

冒頭で出した例を覚えていますか?

・上司が自分の考えを理解してくれない

・上司が提案を受け入れてくれない

・上司に理不尽な怒られ方をされる

細かいことを言えばもっともっと悩みはあるでしょう。『縦の線』を意識できている人であればあるほど、こういった悩みは尽きません。

もちろんこういった悩みが生まれるのには理由があります。それは、自分と上司の価値観は同じではないから。上司も一人の人間であり、感情があり、価値観・意見を持っているからです。

私は生きていくうえで、『違いを受け入れること』は非常に大事なことだと思っていますから、上司とのすれ違いは必然だし、仕方のないことだと思います。しかしながら、同じ組織に属している身同士という視点で考えれば、会社の掲げるミッションやビジョンに反して『自分』を押し通してしまう上司に対しては『仕方ない』とは言えません。

上司を説得しても跳ね返されてしまう。

しかも会社のミッション、ビジョンとズレている。

もう何を言っても分かってくれない。

こんな苦しい場面に出くわしてしまった時、どうすれば良いのでしょうか。

どうすれば上司を動かすことができるのでしょうか。

①上司の上司が誰かを知る

そんな苦しい状況になった時、まずは上司の上司が誰なのかを知ることが全てのスタート。つまり組織の『縦の線』を追っていくのです。

先ほど登場した組織図を例に考えてみますが、『センター長は社長ではありません』から、少なくとも必ず1人の『人』と太く強固な線で繋がっています。センター長とは全国にある物流拠点の長であり、『上司もいるが部下もいる』立場なのです。そう。もう1つ上の立場には、全国のセンター長たちを束ねるエリアMgrがいるのです

もしも自分の上司との関係性で悩んだ時、どうしようもなくなってしまった時、まずはこのように上司の上司(今回の例で言えばセンター長を束ねるエリアMgr)の存在を確認しましょう。

②上司の上司を頼る

今回の記事の結論の部分になりますが、上司の上司が誰なのかを知ることができたら、その人をとことん頼ってください。

シンプルでしょ?

冒頭で説明した通り、至ってシンプルなのです。

私の勤めている会社はかなりしっかりしているので、「どんな些細なことでも懸念事項があればいつでも相談して大丈夫だよ」というメッセージと共に、エリアMgrの問い合わせ先が書かれたポスターが必ず掲示されています。みなさんの会社は私の会社と同じようにホワイトではなく、このようなメッセージポスターも存在しないかもしれませんが、例えあなたとその人の関係がそこまで深くないとしても、あなたが悩んでいるという事実を無視する上位職はいないはずです。そこでもしも悩みを聞いてくれなかったり、冷たい返事を返されたりしたら、その時は更にその人の上司を頼れば良いです。最終的には社長に繋がり、社長も親身になってくれないのであれば、次は世の中を頼れば良いのです。(ちょっと話が大きくなって大げさに聞こえると思いますが…)

言い方を変えると、あなたが関係性に悩んでいる上司を『評価する立場の人』『指導する立場の人』に相談するということです。

『下から上に』『上から下に』

上司に相談すること、上司に提案すること、上司に意見することなど、これらは全て組織においての立場という視点で考えれば『下から上に』のアプローチになるのですが、大切なことは『上から下に』のアプローチも、1つの選択肢として持っておくことです。これはあなたにとって大きな武器になります。

原因と根本原因・解決と根本解決【問題解決に必要な2つの視点】

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こちらの過去の記事でも『上から下に』のアプローチについては触れています。

もちろん上司が納得してくれないことがあるからといって、何でもかんでも上司の上司を頼れば良いというわけではありませんが、あなたが本当に苦しくてどうしようもない時、スムーズかつスピーディーに物事を進めるべき時などはどんどん頼って良いと思います。その行為は決して『逃げ』ではありません。

多くの人が、自分の身近にいる人たちだけで様々な問題を解決しようとしてしまっています。下から下から一所懸命アプローチを続けても、立場や個人の価値観の壁は簡単に崩すことはできません。そして結果的に苦しくなって、追い詰められて、仕事を辞めてしまう人もいます。

私もこれまでたくさんの『上司との関係性で悩んでいる人』を見てきました。辛くなって辞めていく人も見てきました。

組織の『縦の線』を意識して、もっともっとシンプルに『人を頼ること』をして良いです。

『上から下に』のアプローチを身に付けましょう。

実例

最後に私の身の周りで起きた実例(私が上司との関係性で悩んで上司の上司を頼った話)を紹介して終わりにします。本記事の内容がよりリアルに伝わると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

私は小売業の物流事業部に所属していて、物流センターで輸送Mgrと外での作業(オペレーション)のMgrを兼任しています。

外での作業は屋根はあるものの天候に大きく左右されるため、長靴や雨具などの安心安全に働くための必要最低限の装備品が必要になるのですが、私が担当になった5月時点では何一つ支給はされていませんでした。

私がMgrになってすぐに、部下たちから「長靴を自分のお金で買っている」「会社から支給してほしい」と相談を受け、すぐに私の直属上司にあたる副センター長に相談をしました。しかし副センター長はもともとこのチームを率いていた前任Mgrであり、環境を整えてこなかった張本人。副センター長はその必要性を全く感じておらず、返事は曖昧でした。私は痺れを切らして事業所の長であるセンター長に相談をし、何とか長靴を人数分購入してもらえることになりました。

長靴を購入・貸与してから数日後。今度は「雨具がほしい」と現場から声があがり、長靴の時と同じくセンター長に相談をすると、「副センター長とも話し合った結果、コストがかかるので、人数分ではなくてフリーサイズを数着購入して共用にしよう」と提案されました。私はその提案に少し疑問を持ちながらも、購入が決まったことは大きな進歩だと思って首を縦に振りました。しかし現場からは、「共用であるということは管理が大変(管理責任)」や、「女性で男性と共用は嫌な人もいるはず」や、「コロナウイルスが流行っている中で共用には抵抗がある」などの意見があがりました。私はすぐにその現場の声をセンター長に伝えたのですが、渋い顔で跳ね返されたため、現場の生の声を届けるためにチームMTGの議題にし、センター長にも参加してもらい、チーム全員とセンター長と私でコミュニケーションを図ることに決めました。

チームMTGにて、現場のスタッフからセンター長に率直な意見がぶつけられました。

「雨具は長靴と同様で個人貸与していただきたいです」

センター長の返事は私が全く想定していなかった返事で、「正直コストはいくらでもかけられる。大事なことは投資した分しっかり生産性で返すということですよ。厳しいことを言って申し訳ないですが。」でした。(冷静になって考えてみるとすごいセリフだと思うのですが、これは、1時間歩きで通勤している人に『バスで来て良いけど交通費分は生産性で返して』と言ったり、事務所の人間に『そのデスクに座っていいから生産性で返して』と言うのと同じことですね。『ロボットを導入するから生産性で返して』なら分かりますが…。)

仕事をするうえで必須になる装備品を会社から貸与してほしいと願うスタッフたち。スタッフたちのその思いを尊重して同じ意見を持ってセンター長に向き合う私。購入した分は数字で取り返してほしいセンター長。私とスタッフたちが見ているのは『健康に働く』という最低限の安心安全。センター長が見ているのは数字。しかも、Mgrである私にだけ個別に言うならまだしも、末端のスタッフに対して「生産性で取り返して」と言うのは間違っていると思い、このセンター長の言葉の選択、アプローチ、現場との温度差に私の違和感は大きくなっていました。

結局答えが出ないままチームMTGは時間になってしまったのですが、その帰り、3名の部下が私のところに来てこう言いました。

「ガッキーさん、私たちが望んいるのは贅沢品ではなくて、作業で最低限必要な装備品だと思うんです。」
「投資ではなくて必要経費ですよね。」
「後で女性メンバーに聞きましたが、やはり男性と共用は嫌だって言っていました。」
「本当に私たちのことを考えてくれているのでしょうか…。」

私は部下たちの思いに強く共感し、自分の力不足でセンター長を説得できなかったことを謝って、同時に心の中で『必ず雨具を一人ひとり個人貸与にしよう』と決心しました。

しかし、この状況で今までと変わらない方法で下から下からアプローチしたとしても、センター長の『雨具』への考え方・判断は変わらないと思い、センター長の上司にあたるエリアMgrの力を借りることにしました。私はエリアMgrにこれまでの経緯などを全て話し、部下たちの思い、Mgrとしての自分の思いを伝えました。エリアMgrは現場で働くスタッフを大切にしてくれる方(=会社がそういう考え方)で、「現場の意見、ガッキーさんの意見は間違っていない。思いも受け取りました。上手く働きかけてみます。」と返事をくださいました。

数日後、センター長は唐突に、「雨具を個人貸与にすることに決めたから。」と口を開きました。エリアMgrがセンター長にどのようなアプローチをしたのかまでは分かりませんでしたが、どうやらエリアMgrが動いてくれたらしく、センター長の方から私にそう言ってきたのです。

これまでは下から下から一所懸命に意見や思いを伝えてきたけれど、なかなか上司には届かなかった。私は現場のスタッフたちと上司に挟まれて、正直少しだけ疲れていました。しかし、『縦の線』を意識して上司の上司を頼ったことで一転。現場と私の意見は『会社の価値観に沿っている』『必要な装備品として個人に貸与されるべきもの』と判断され、エリアMgrが何かしらのアクションを起こしてくださり、スムーズに、スピーディーに、私とセンター長の『縦の線』を途切れさせることなく解決することができたのです。

みなさんもこの事例のように、どうしても解決が難しい。助けたい人がいる。意見と意見の間に挟まれて苦しい。そんな時は『上司の上司』を頼ってみてください。

何度でも言います。

その選択は決して『逃げ』ではありませんよ。

  • この記事を書いた人

ガッキー

リーダーシップ / マネジメント / チームづくり / 人材育成について、実体験を交えながらTwitterとブログ、時々YouTubeで発信。 店舗Mgr ⇒ トレーナー(本部) ⇒ 物流センター輸送Mgr(オペレーション兼任)

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