ガッキーです。
先日の記事にて、清掃マニュアルの話が出てきましたね。
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相手の関心ごとに関心を持つ【注意するだけならロボットでも良い】
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本日は、そんな清掃マニュアルの『作成要望が出てきた時の話』、『作成途中の話』、『完成後の話』を、いつものようにガッキー目線で読み進めながら、『伝えることの難しさ』をみなさんにシェアしたいと思います。
みなさんも職場で、何か新しいルールを定着させなければいけないことがあると思います。また、ルールに限った話ではなく、部下に何かを実行に移してもらうために『伝えること』は日常茶飯事だと思います。
伝え方。
難しいですよね・・・。
ではさっそく見ていきましょう。
マニュアルを作って!
ことの発端は、『移転』でした。
私の事業所はもうかなり古く歴史のある建物だったため、去年の秋に移転しました。
店舗は365日営業を続けているので、物の流れは一切止めずノンストップで移転をやってのけたのですが、これがまた大変でした。
そんな話はさておき、ここで大事なポイントは、本部が用意してくれたのは新しい場所と機械、そしてそのサポートだけ。つまり、この新しい巨大な施設を管理・維持していくのは他でもない私たち。
そんな中で要望は生まれました。
1階のトイレ汚くないですか?

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私もMgrが清掃当番の時はみなさんができないような部分まで清掃するようにしてます。

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ありですね。

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話し相手は私の部下のYさん。今年62歳。細かいことに気遣いができて、しっかり者。
実はこのYさんが、先日の記事で登場した『ワークルールを無視して出勤前にトイレ清掃をしている人』。
私が事業所内異動をしてすぐに、私にこんな要望を出してくれた。
これは4月の出来事でした。
これまでの清掃は?
移転して約半年の間、私たちはチームごとに当番制で清掃をやってきました。

5つのチーム + マネジメントチームの計6チーム。
マニュアルはなく、最低限の清掃用具を使用して各々が清掃をする。
1週間単位で交代だけれど、1週間に何回清掃するかも決めていない。
1日何時間で完了させるかの目標もない。
こんな感じでした。
確かにこのままでは汚れる以外にも、『あのチームはここを清掃しない』や『○○さんは適当だ』など、違う問題も出てくる可能性が高いですね。
誰が作る?
Yさんからの意見を預かって迎える週次のMgrミーティング。
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確かにこの半年間、マニュアルを作成することなく清掃をしてきて、トイレ以外にも汚れは目立つようになってきました。
一度汚れ始めると、全体のモラルも低下する可能性がありますしね。
マニュアルを作りましょうか。

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私がやっても良いですが。

Sさんは5月にMgrに昇進した新任Mgr。この時はまだMgrになる前。
Sさんはいち早く清掃が疎かになる可能性に目を向け、清掃の当番制を提案してくれた人で、清掃に関しては多少の知識もあった。
マニュアル作成が後回しに・・・
季節は早々と夏を迎える準備に入る頃。6月。
いつもの週次MgrミーティングにはMgrに昇進したSさんも参加していた。
清掃マニュアルですが、申し訳ないですがまだ進んでいません。
そろそろ本腰を入れて取り掛かろうと思うのですが、マニュアルはイチから作るのではなくて、店舗で使用しているマニュアルがあったので、それを使用するというのはどうでしょうか?

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どういった内容でしたか?


この時、もう少し丁寧に話を進めていれば良かったと後悔。
言い訳をすると、ここまで後回しになり、正直、待ちぼうけというか、心の中で「もういいか」みたいな感情が少しあったのかもしれいない。
完成間近??
7月。

先日の記事でこんな話が出ましたが、その後から、隣のデスクでせかせかとマニュアルを印刷したり、ラミネートしたり、用品の購入や洗剤業者とのやり取りをしている彼女の姿を横目で見ていたので、そろそろ完成するのかな・・・と思っていた。
「手伝う?」と聞くと「大丈夫!」と答え、自信満々にやっていた。
伝えることの難しさ
休み明け。
本日は週次Mgrミーティングの日。
私は朝から輸送Mgrとして店舗巡回をしバタバタしていた。
ミーティングの30分前に事務所に着いた私は、急いでPCを開いてメールを確認。不要なメールをゴミ箱に投げ捨てながら、重要なメールがないかを確認していった。
トイレ清掃マニュアルについて
みなさん、お疲れ様です。
長らくお待たせしました。トイレ清掃マニュアルが完成しましたので、明日よりマニュアルに沿って清掃を開始してください。
私は山のように溜まっている不要なメールの中からこのメールを見つけたとき、正直『やばい!』と思った。
モヤモヤしているとあっという間にミーティングの時間に。

ファシリテーターの副センター長が新任MgrのSさんに話を振る。
私からは清掃マニュアルについてです。長らくお待たせしてしまいましたが、昨日ようやく完成しました。全スタッフ宛にメールを送信していますので、よろしくお願いします。

私とSさんを除く5人のMgrのうち、果たして何人がこの新任Mgrの伝え方に疑問を持ったのか。
その答えは10秒で分かった。
10秒間の沈黙の後、ファシリテーターの上司が「では他の議題は?」と言おうとする素振りを見せた。
私以外の誰も疑問に思っていないと分かった。
私は上司が口を開く前に、「ちょっと私から」と意見を口にする。
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用具や洗剤などは揃えてありますので。

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Sさんや他のMgrは『え。メールで送ったじゃん。』、『あとはマニュアル通りにやってもらうだけでしょ。』といった顔で私を見ている。
私は、マニュアル作成をSさんに任せる時に、もっと細かいアドバイスをすれば良かったという後悔と、一所懸命準備してくれたSさんに申し訳ない気持ちと、『伝えることの難しさ』を教えてあげないといけないという気持ちで感情がぐちゃぐちゃになりながら話を続けた。
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そして何より、メールで『明日以降はこれで』というアプローチだけでは、せっかくのマニュアルも活きてこないと思う。
私を除く6名のうち2名は、まるで新しい元気な顔をもらったア〇パンマンのように、『なるほど・・・確かに・・・』という顔つきに変わっていた。
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やってみて、時間を計って、内容を確認して、感想や問題点をみなさんで共有しましょう。そこででた課題を取りまとめて、そのマニュアルを加工して、今私たちが必要としているレベルのマニュアルを作りましょう。
そして最後に落とし込みです。
メールで『やってください』ではなく、まずは私たちが完璧にマニュアルに沿ってできるようになり、落とし込みは各チームに任せるのはどうでしょうか。
大事なことは計画的に、そして意図的に落とし込みをすることです。
Mgrからリーダーに伝授して、リーダーが末端まで伝授するも良し、複数名を集めてミニ清掃研修をするも良し、Mgrと2人ペアで1人ずつ教えていくのも良し。落とし込みの方法はいろいろあって良いと思います。
最終的には全員が納得して、1週間をテスト期間とすることに決まった。
テストした結果
ミーティングの後、Mgrで清掃テスト日を割り振った。
1番手は私だったのだが、マニュアルの内容は想像以上によろしくなかった。
問題点
- 『清掃中』の看板がない
- 『ダスター』がない
- 便座の裏の清掃方法の記載がない
- 壁の拭き上げはどこまでやるか
- マニュアルが手順通りになっていない
大雑把に書きました。
Sさんは買い揃えたと言っていたけれど、ない備品もあり、手順や工程に抜けもあり、正直な感想は『ちゃんとやると1時間はかかるマニュアル』『見づらいマニュアル』でした。
私は問題点を全員にメールで共有し、このマニュアルを基に作り直すことを提案。
他のMgrがどういった感想を持つか、今後どうなっていくかは後日記事にしたいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
『実際に伝えたけど伝わらず失敗した』という内容ではなく、『このまま進めれば失敗する可能性が高いから、早い段階で軌道修正しよう』という内容の実体験でしたが、これだけでも本日のテーマである『伝えることの難しさ』がよく分かる記事だったのではないでしょうか。
一番のポイントは『リーダー(Mgr)は何のためにいるのか』ということです。
マニュアルを作成することがリーダーの役割なのではなく、マニュアルを作成し、全員がマニュアル通りに清掃できるようにすることまでがリーダーの役割です。
もっと言えば、全員がマニュアル通りに清掃できるようになった結果、これまでと比べてどれくらい清掃の質が上がったのか、清潔が保たれるようになったのかの点検も必要になります。よく使われる言葉で言えば、PDCAサイクルですね。
PDCAサイクル
Plan (計画)
Do (実行)
Check (評価)
Action (改善)
そして、みなさんも誰かに何かを『伝える』時には、『どうすれば上手く伝わるのか』を考え、計画的に(前もって準備して)、意図的に(目的を正しく理解して)伝える手段を選ぶようにしてみてください。